石灰水で遊ぼう第2弾です。
前回、石灰水は、二酸化炭素と反応し、白濁することを紹介しました。
今回は、さらに掘り下げます。
前回ご紹介した通り、石灰水はアルカリ性です。
しかし、その石灰水に息を吹き込むと、中和して、中性→酸性と変化していっているはずです。
これを視覚的に確かめてみるのが、今回のテーマです。
pH指示薬で実験
酸性、アルカリ性を視覚的に確かめる一番簡単な方法は、pH指示薬を使うことです。
中学校の教科書では、pH指示薬として、
リトマス紙、フェノールフタレイン溶液、BTB溶液の3つが載っています。
どれも、高校入試にもでてくる、最重要用語なので、
色の変化と合わせて、しっかり押さえておきましょう。
と言うことで、今回は、ブロモチモールブルー溶液、略してBTB溶液を使って、実験してみます。
BTB溶液は、アルカリ性で青色、中性で緑色、酸性で黄色を示します。
今回の実験では、石灰水はアルカリ性なので、最初は青色。
そして、息を吹き込むことによって、緑に変化。この時、白濁した緑色になるはずです。
その後、濁りがとれて、黄色に変化していくと考えられます。
と言うことで、やってみました。
(1) BTB溶液を入れた石灰水
(2) 息を吹き込む
(3) 息を吹き込むと白く濁る
(4) さらに息を吹き込むと濁りが消える
(5) 濁りが減り、色も緑に変わる
実験前(左)と実験後(右)を並べると、色の違いがよくわかる
無事、緑色の溶液には変化しましたが、
そこから黄色には変化させることができませんでした。
もしかしたら、吹き込み方が足らなかっただけかもしれませんが、
弱酸(酸性が弱い)である炭酸水では、
石灰水は、完全に中和させることができないのかもしれません。
ちょっと、出ばなをくじかれましたが、
BTB溶液で、石灰水のpHの変化を視覚的に確かめることはできました。
身近なものでも
いえ、わかってます。言いたいことは、わかります。
BTB溶液なんて、簡単に手に入らないし・・・と思ってますね?
下のリンクから購入できますが、
こういう薬品を使うと、一気に、自由研究感がなくなります。
そこで利用したのが、アントシアニンという物質です。
これは、身近なところにゴロゴロしています。
アントシアニンも、pH指示薬として有名で、
ムラサキキャベツに多く含まれていることから、
教科書には、ムラサキキャベツの煮汁を実験に使用することが紹介されています。
これなら、身近です。
いえいえ、言いたいことは分かります。
ムラサキキャベツを売っているところを見たことがないんですよね?
そうですよね。生野菜サラダを買うと、千切りのムラサキキャベツが入っていることは多いですが、
玉で売っているのは、見たことないですよね。これでは、煮汁を作ることはできません。
そこで、もっと身近なものもあります。それは、ブドウやブルーベリー、そして、シソ。
これらにも、アントシアニンという物質が含まれているので、pH指示薬として利用することができます。
しかも、ブルーベリーやブドウは、ジュースで十分、色の変化が確認できます。
アントシアニンにも種類があるので、一概には言えないのですが、
アルカリ性で緑、酸性で赤紫を示します。
ただし、アルカリ性での緑を確認するためには、濃度に気を付けなければいけません。
何も考えずにやると、黒くなります。
ブルーベリージュースで実験
それでは、実際に、伊藤園のブルーベリージュースでやってみましたので、結果をどうぞ。
(1) 石灰水にジュースを入れる
(2) 息を吹き込む
(3) 白く濁り、色が薄まる
(4) さらに吹き込む
(5) 濁りが減り、色が少し変わる
ちょっと濃かったようで、色は黒いのですが、
石灰水に入れることで、色が変化していることが分かります。
残念ながら、BTB溶液ほどの変化は見られませんでしたが、
なんとなく色が変わっているのが分かります。
もう少し、ジュースの量を減らせば、もっと綺麗な緑色からスタートできます。
自由研究への応用
アントシアニンが含まれていれば、この実験はできます。
ブルーベリージュースだけではなく、ブドウジュース、梅干しの汁などでもできます。
色々違いを試してみると面白いと思います。
また、ジュースの濃さによっても、色が変わります。
綺麗な色を出すためには、どのジュースで、どのくらい入れればよいかなども考えてみると、
面白いと思います。
一度、石灰水を入れ、緑にした状態で、酸性の水溶液、たとえばレモン汁や食酢を入れて、
色の変化を観察するのもありです。
pH指示薬として考えれば、身近なものの酸性・アルカリ性を調べることも可能です。
しかし、ジュースは、弱酸性なので、考察するときには、注意してください。
おまけ
ペットボトルにジュースの成分がついて、色がついていることがあります。
特に、今回実験で使用した伊藤園のブルーベリージュースは、
かなりペットボトルがジュース色に染まっています。
この色は、アントシアニンによる色なので、当然、酸性・アルカリ性に反応して、色が変わります。
飲み終わったペットボトルに石灰水を入れたり、食酢を入れると、色が変わります。
食酢を入れると赤に
石灰水を入れると緑に
これだけでも、面白いです。超お手軽です。
さらにおまけ。
下半分だけ食酢を入れると、下半分だけ色が変わる
実験に使えそうな商品
部品は、写真をクリックすると購入できます。
この商品で実験してみたわけではないので、購入は自己責任でお願いします。
ストロー |
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ストロー。ダイソーで売っているもので上等です。 |
BTB溶液 |
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pH指示薬。便利な少容量100mL |
BTB溶液 |
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pH指示薬。大容量のお得タイプ500mL |
ブルーベリージュース |
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今回の実験で使用した伊藤園のブルーベリージュース
ブルーベリージュース、ブドウジュースなら、何でもOK
ただし、果汁入りのものを選んでください。 |
小岩井 純粋ぶどう |
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こちらは、果汁30%ですが、実験できます。
よく100%でないとダメと書いてあることがありますが、
果汁が入っていれば、多分、大丈夫です。 |
ムラサキキャベツ |
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pH指示薬の王道、ムラサキキャベツ。
ネット通販なら、なんでも?手に入ります。 |
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